師匠リヒテルゆかりの作品ばかり。メルニコフの超絶プロコフィエフ第2弾。
★メルニコフのプロコフィエフのソナタ集、レコード芸術誌特選に輝いた第1弾(HMC902202;国内仕様盤KKC-5694)に続く第2弾の登場です。
★今回はプロコフィエフのピアノ曲を代表する傑作ソナタ第7番が収められているのに注目。作曲した1939-44年は第2次世界大戦中に疎開先で書かれましたが、メルニコフの祖父母の作曲家ニコライ・チェンベルジとザーラ・レーヴィナも誕生に立ち会っていました。さらにプロコフィエフの指名で1943年1月に世界初演を行なったのはメルニコフの師匠スヴャトスラフ・リヒテル。当時27歳のリヒテルは4日間でこの難曲をマスターし、初演は大成功でした。メルニコフにとって因縁浅からぬ作品と申せましょう。
★4番もリヒテルが愛奏したうえ、第9番はリヒテルに献呈され、彼が世界初演した作品。メルニコフの解釈はまさにリヒテル直伝で、近年多い傾向とは一線を画しています。7番は切れ味鋭い技巧とエネルギーにあふれる演奏が多い中、メルニコフは落ち着いたテンポによる内省的な解釈で、全く新しい作品を聴くような印象の快演です。