・タイトル :ロシア構成主義-生活と造形の組織学・著者/アーティスト名:河村 彩・発行:共和国 2019/02/28 テクノ、SF、ファッション、建築……あまりに豊穣な革命文化の遺産! ロシア革命直後の1920年代、新しい社会主義文化建設のために生まれた《ロシア構成主義》。なぜこの文化運動が21世紀になお模倣され、あらゆるモードの祖型となったのか? 「住まう」「暮らす」「見せる」「報せる」をキーワードにその実像を描き出した、出色の書き下ろし論考。[図版130点以上収録]
*令和2年度「手島精一記念研究賞著述賞」受賞(2021年4月19日付) 目次はじめに——理念が形態となるとき 第1章 色と形の組織学 無対象から構成へ 抽象と心理 第2章 社会主義の造形 革命後の芸術政策と前衛たち インフクと構成主義の誕生 芸術家は工場へ!──生産主義理論 身体を管理する──プロレトクリトの活動 センスは誰でも習得できる 第3章 社会主義に住まう 家具は複数のかたちを持つ 労働者クラブ──プロレタリアートの情報センター 事物は同志──一九二五年パリの構成主義 所有から使用へ──共同住宅が見た夢 第4章 社会主義に暮らす アジテーション陶磁器 タトリンと素材の文化 見せる服/活動する服──生産服と幾何学ドレス 第5章 社会主義を見せる 世界の解釈から構築へ ──リシツキーとスプレマチズム 転倒/平面/運動 ──プロウンとプロウン・ルーム 空間を読む、ことばを見る ──展示空間としての本 視覚の革命/革命の視覚──ラクルス 視覚的な織物──フォトシリーズ、フォトエッセイ 第6章 社会主義を報せる ポスター──イーゼル絵画「以降」のイメージ ネップと広告──ステンベルグ兄弟、ロトチェンコ 映画のモンタージュ理論 情報の組織化──クルツィスのアジテーション 最後の実験場──『建設のソ連邦』とフォト・アルバム おわりに——コンストラクターは誰か 註 あとがき 人名索引 著者プロフィール河村 彩(カワムラ アヤ)(著)東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教員。東京大学総合文化研究科博士課程修了(博士)。専攻は、ロシア・ソヴィエト文化、近現代美術、表象文化論。主な著書に、『ロトチェンコとソヴィエト文化の建設』(水声社、2014)、『ロシア文化の方舟——ソヴィエト崩壊から20年』(共著、東洋書店、2011)などがある。