高野山開創1200年 お大師さまの犬再来 伝説の名犬が現代によみがえった
「女人高野慈尊院」を舞台に、 ふしぎなふしぎな白い犬ゴンが残した奇跡 人々を山の向こうの高野山まで、 山道20キロを案内し続けた伝説の犬 関 朝之 作 木内 達朗 画 新装版 2014.11.18 発行 ISBN 978-4-89295-987-5 C8093 A5上製 176ページ 内容紹介 その犬の名前は「ゴン」といいました。 ゴンは、和歌山県九度山町に、ふらりと現われた白いノラ犬です。 平成元年、そのオス犬は、誰が教えたわけでもないのに、町のお寺・慈尊院から、弘法大師の御山である高野山まで、参拝者をガイドしはじめました。 けれども、お寺の住職・安念清邦さんは、小さいころから犬が嫌いでした。 それでも、ゴンはお寺にやってきては、参拝者たちの道案内をつづけました。 20キロはなれた高野山までつづく山道を歩くゴンのすがたに、さすがの犬嫌いの住職も、心引かれるものがあったのでしょう。 やがて、住職はゴンの飼い主になることを決意しました。 歳月が流れ、ゴンは多くの人々から「お大師さんの犬」「弘法大師の使いの名犬」とよばれるようになりました。 犬が嫌いだった住職が飼い主になったのは、ゴンが「えらい犬」だったからでも「立派な犬」だったからでもありません。 住職にとってのゴンは、かけがえのない「家族」「友人」だったからです。 平成一四年、ゴンは、この世を去っていきました。その後、この雑種犬は石像となり、その「やさしさ」をいろいろな人が語り継いでいます。 そんなゴンの生涯とは、どのようなものだったのでしょうか……。 目 次 —— はじめに 弘法大師・空海 町に現われたノラ犬 ガイドをはじめたゴン 高野山への案内犬 住職の飼い犬へ 帰ってこないゴン ガイド犬ゴンの引退 「ゴンちゃんお守り」の登場 その名は「カイ」 さよなら、ゴン ゴンよ、永遠に その後 おわりに 〜「会いたい」という気持ちは時空を超えて〜