出荷目安の詳細はこちら商品説明好評のアール・ブラウン・シリーズ最新刊電子音楽の先駆者グループ、ソニック・アーツ・ユニオン・メンバーの意欲的録音コンコード・ソナタ世界初録音(当時)音源20世紀最大のフルート奏者、セヴェリーノ・ガッゼローニによる迫力のベリオ&松平!CD1の1トラック目は、カチカチと石がぶつかりあうようなパルス音に混じって、遠くの方で草刈り機が稼働しているようなモーター音が聴こえる作品、ヴェスパー(ルシエ作)。これはエコロケーション(反響位置測定装置)システムを持った奏者たちが、物体に近づいたり物体から遠ざかったりすることにより生じる音が収録されたもの。コウモリやクジラは超音波を発し、対象物からの反射によってその対象の形や大きさ、位置などを知る動物ですが、ルシエ本人はこうした動物(反響定位を行う動物)に尊敬の念をこめて作曲したと言っています。この不思議な音が何と反応して生じているのかはわかりませんが、面白い世界です。 ソニック・アーツ・ユニオンとは、1966年にアルヴィン・ルシエ、ロバート・アシュレイ、ダヴィッド・ベアマン、ゴードン・ムンマによって結成されたいわば電子音楽相互協力促進のためのグループ。電子音楽の最先端を切り開いた彼らの気概に溢れた作品が並びます。CD2は、1939年にカークパトリックによって初演されて以来、演奏不可能とされた、マーラーのように壮大で物語性に満ち、ベートーヴェンの第5番交響曲の引用といった古典の要素と、小節線がなく板で鍵盤を押してトーン・クラスターの効果といった現代的な要素をあわせもつ『コンコード・ソナタ』の不滅の名演。第1楽章は広大なコンセプト、第2楽章はいくらかおとぎばなしのような世界にむけての冒険へと我々をいざなうマテリアルの断片、第3楽章は行進曲風、第4楽章は「夜行列車とともに安らぎのないこの世界もどこかへ行ってしまい」、「詩人の吹くフルートの音色が湖の向こうから聴こえてくる」といったアイヴズのノートを読みながら聴くと様々な風景が目の前に広がります。CD3はフルートの伝説的名手、ガッゼローニの演奏による20世紀の名作の数々。フルートのために作品を書くことは作曲家にとって非常に足かせの多い挑戦となります。約3オクターブに限られた音域、音色の可能性の幅の狭さ、また、発生できるノイズ音も、キーをタッピングする、あるいは楽器に息を吹き込む音など2種類ほどしかありません。しかし、1919〜1992年に生きたガッゼローニは、ストラヴィンスキー、ブーレーズ、リゲティなど内外を問わず様々な大作曲家にインスピレーションを与え、彼らはガッゼローニのために作品を書きました。現代のフルート音楽はガッゼローニなくして語れないといっても過言ではないでしょう。ベリオのセクエンツィアなどは鬼気迫る完璧な技巧の名演、松平の『蘇寞者』も神秘的な雰囲気にのまれてしまいます。(キングインターナショナル)