出荷目安の詳細はこちら内容詳細真に「ソーシャル」なアートはどのように可能か? アートプロジェクトを象徴で終わらせず、社会を変えるリアルな活動にするためには? 社会に深く関わる=エンゲイジする世界的なアートの潮流を、理論と実例を通じて伝える。アーティスト、アートプロジェクトのスタッフ、美術教育関係者必携の、「社会に関わるアート」の手引き。 アートによる社会創造のムーブメント「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」。その表現は、「参加」「対話」「行為」に重点を置き、美術史はもちろん、教育理論、社会学、言語学、エスノグラフィーなど、さまざまな分野の知見を活用しながらプロジェクトを組み立て、コミュニティと深く関わり、社会変革を目指すものです。この新しい試みは、パブリック・アート、リレーショナル・アート、コミュニティ・アート、参加型アートなど、さまざまな歴史的な実践を踏まえて登場し、近年の欧米で盛んになっています。 本書では「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」の実例に迫り、実践の手法について、「コミュニティ」「会話」「コラボレーション」「敵対関係」「ドキュメンテーション」などの10のポイントを通じて、理論と実例を交えながら、その可能性を検証していきます。 著者のパブロ・エルゲラは、「関係性の美学」「リレーショナル・アート」の思想に疑問を抱き、単に美術館やギャラリーのコンテクストの中で参加型体験を作り出すだけではなく、アートを出発点とした、真に社会に寄与する試みが必要だという考えに至ったといいます。その実践はまさに国際的な「社会に深く関わるアート=ソーシャリー・エンゲイジド・アート」の潮流と重なっていました。 全国的に芸術祭やアートプロジェクト、アーティスト・イン・レジデンスが浸透し、アーティストが地域社会にコミットする機会が急増した現在。一方で、アートとコミュニティがすれ違い、互いの目的や思いがうまく通じなかったり、有益な関係が築けないまま終わってしまう場合も少なくないのではないでしょうか。 私たちが今まさに直面しているアートと社会の諸問題に対して、理論と実例の両面から、多くのヒントを与えてくれる一冊です。───「拡張する〈ソーシャルな場〉で道に迷う人に、この勇気ある一冊は必ず重要な指針を与えてくれる」──クレア・ビショップ