ワイナリーの美学とトスカーナの魅力あるワイン!
元祖スーパータスカンであり、イタリア赤ワインの頂点を極めるサッシカイアが造るレ・ディフェーゼは、現当主ニコロ・インチーザ・デッラ・ロケッタ氏が、娘であるプリシラ女史の結婚式のためだけに造ったものでしたが、そのクオリティの高さからリリースが決定されました。2002年の初リリース以来、瞬く間に世に知れ渡った人気のワインです。 その味わいは、いい意味でサッシカイアとは異なります。テヌータ・サン・グイドの美学と、この地の土着品種でイタリアらしさの双方を表現するために、骨格のしっかりとしたカベルネ・ソーヴィニヨンに、柔らかみのあるサンジョヴェーゼを絶妙なバランスでブレンド。トスカーナらしさを感じさせる気品ある上品な仕上がりです。 また、フレンチオークで24ヵ月もの間熟成させるサッシカイアに対し、レ・ディフェーゼは31℃に温度が保たれたステンレスタンクで12日間マセラシオン発酵を行い、フレンチオークとアメリカンオークの小樽で12ヵ月間熟成。その後3ヵ月の瓶内熟成を経て出荷されます。そのため、飲み頃までに長期の熟成を要する偉大なサッシカイアに比べ、早くから楽しめる親しみやすさを備えています。
■品種:サンジョヴェーゼ55% カベルネ・ソーヴィニョン45%
■味わい 甘やかな赤系果実のアロマに、バラやシナモンのニュアンスが溶け合った芳香がグラスから立ち上ります。口に含むと、シルキーなタンニンといきいきとした果実味が広がり、活力がありながらもエレガントな味わい。数年後の熟成を待つ楽しみもありますが、フレッシュ感を愉しむのもおすすめです。また、ワイン評価誌のヴィノスでは「やや低めの温度でサーヴすると、暖かい夏の時期にも最適です。」と記載されており、ちょうど暑い夏のこの季節にぴったりな1本です。
■評価
★ジェームス・サックリング92点! ブルーベリー、スライスしたマッシュルーム、カシス、ブラックベリーの葉、甘草、ベルガモットのアロマを持つ、ジューシーで美味しい赤です。ミディアムボディで、きめ細かいタンニンとクリーミーで丸みのあるフレッシュなフィニッシュが特徴です。今すぐ飲んでもいいし、そのままでもいい。本間チョースケ超厳選! 飲むべきイタリアワイン103本! 「サッシカイアはイタリアのアイコンであり、トスカーナの至宝」を再確認させる三男坊。 ボルドーのメドック格付けシャトーでは例外なくセカンドワインがあり、サードワインを造るところも多い。フラッグシップの品質向上の観点化から、最終選抜に漏れたワインや若木の畑から造られたものがセカンドワインとなる。早くから楽しめ、価格も安価で人気が高い。サードワインは、更に安価で味わいはカジュアル、ワイナリーのイントロダクション的なもの。 「サッシカイア」はカベルネ・ソーヴィニョンとカベルネ・フランのブレンドであるが、誕生から30年以上経って、2000年に「グイダルベルト」(カベルネ・ソーヴィニョンとメルローのブレンド)」をリリース。メルローという新しい品種への挑戦、早くから楽しめるというコンセプトであるが、現オーナー、ニコロの曾祖父である偉大なグイダルベルト・デッラ・ゲラルデスカ伯爵の名を冠していることを考えると、セカンドワインというよりは例えばシャトー・パルメの造る「アルテ・レゴ(もう一人の私)」のような、テヌータ・サン・グイド社が造るもう一つのワインと捉えるべき。 間髪入れず2002年に「レ・ディフェーゼ」が世に出る。ユニークなのはカベルネ・ソーヴィニョンを主体に、主役級のサンジョヴェーゼを補助品種として用いている点。双方とも酸とタンニンが鋭角的な品種であり、通常見ない組み合わせであるが、2人の兄貴分がフランス品種同士のブレンドであるのに対して、トスカーナ品種が用いられている点が画期的。このワインもまた独自の個性とストーリーを持ち、サードワインというカテゴリーを軽々と超越している。暑いボルゲリでは寒暖差を好むサンジョヴェーゼはなじまず、暑さを好むクローンを選抜するなど工夫を凝らすが、内陸のものとは異なった出来栄えとなる。しかしこのワインには、本来のサンジョヴェーゼが持つイチゴ、プラム、甘草のような特有のアロマをハッキリ感じる。明らかにトスカーナ産ワインを確信させるもの。しかもミネラル(塩気)でしっかり輪郭も描かれており、一瞬、内陸のワイン?と思わせるような、陽気な中にも少し厳格なタンニンも感じ、見事な陰影を演出している。