【ワイン・アドヴォケイト:93ポイント】
シャトー・ムートン・ロスチャイルドのテロワールから生まれる、ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロスチャイルド。シャトーの若樹のブドウを厳選し醸されるワインであり、収穫から醸造、そして瓶詰め作業までファーストラベル同様に丹精込めた造りのワインです。 色合いは、深みあるガーネットレッド。濃厚でしっかりとした骨組みと複雑な香り、力強いニュアンスがあり、熟成を重ねて深みや芳醇さが増します。 複雑かつ親しみやすい、余韻がいつまでも残るような柔らかな味わいをぜひご堪能ください。 生産地:フランス/ボルドー 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン メルロ カベルネ・フラン 容量:750mlCH.ムートン・ロートシルド Chateau Mouton-Rothschild 5大シャトーの中でも特に明快かつ豪勢なシャトー シャトー・ムートン・ロスチャイルドほど、オーナーたちの逸話が語られるシャトーはありません。その歴史において、強烈な個性をもつ歴代のオーナー達が、天賦の才能と努力によってその名声と価値を高めてきました。 その筆頭が、弱冠20歳でシャトーを継ぐことになったフィリップ男爵。パリで暮らしていた彼がボルドーのシャトーを継ぐことになった時、最初に行ったのは何世紀もの歴史を持つ中間業者による瓶詰制度を廃止し、シャトー元詰めを始めたことでした。今では当たり前に行われているこの手法によって、ワインの質は劇的に向上し、他のシャトーが追随することになりました。 また、セカンドワインの始まりと言われる「ムートン・カデ」を生み出し大成功。フィリップ男爵は1988年に亡くなるまでの60年間以上に渡り、シャトー・ムートン・ロスチャイルドの品質の向上に尽力し、その繁栄を築き上げました。 また、父の亡き後シャトーの運営を任された一人娘、フィリピーヌ男爵夫人は、舞台女優としての芸術的センスと人脈を生かしてキース・へリングやフランシス・ベーコンといった当代の気鋭芸術家にラベルデザインを依頼し、アートラベルの新時代を築きあげました。 また、フィリピーヌ男爵夫人は醸造施設の刷新に加え、いとこであり、ライバルであるラフィット・ロスチャイルドのエリック・ド・ロスチャイルド男爵と共に、ロスチャイルド一族の名を冠したシャンパーニュ「バロン・ド・ロスチャイルド」をリリース。2013年にはマスター・オブ・ワイン協会からライフタイム・アチーヴメント賞を受賞するなど、ワイン界に多大なる影響を与え続けた人物として知られています。 フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵(1902年〜1988年)、そして男爵の娘であるフィリピーヌ男爵夫人(1933年〜2014年)、偉大なる先代二人の意志を引き継いで、現在は夫人の3人の子供たち(カミーユおよびフィリップ・セレイス・ド・ロスチャイルド、ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスチャイルド)が、シャトー・ムートン・ロスチャイルドの運営指揮を執っています。祖父と母から託されたシャトーに忠誠を誓い、そして決意を新たに、祖父フィリップ男爵の言葉、「Vivre la vigne(ブドウ畑に生きよ)」をモットーにしています。どんな時も常に畑に寄り添い、技術の力を生かして畑を支え、芸術の力を借りて畑を敬いながら、精力的にシャトー運営に取り組んでいます。 シャトー・ムートン・ロスチャイルドといえば、毎年変わるアートラベルにコレクターが多いことでも知られています。シャトー元詰めが始まった記念すべきヴィンテージである1924年に描かれたのが、ポスター作家ジャン・カルリュによるラベル。その20年後、第二次世界大戦が終わりフランスが解放された1945年には、チャーチルのVサインを表すラベルが選ばれました。 その後も、ミロやピカソ、シャガールといった著名な芸術家たちが、素晴らしい芸術作品を提供してきました。その時代を生きるアーティストたちが思い思いに描くラベルは、それぞれの時代の世相を反映した貴重な歴史でもあります。 こうしたアートラベルは、世界に類を見ないワインをテーマとした膨大なアートコレクションと共に、1962年に完成したシャトー内の美術館に展示。ボルドーの文化遺産の象徴として、数多くの訪問者を引き寄せています。