Information 商 品 名name Chartogne Taillet Cuvee Les Barres Extra Brut 2009 蔵 元wine maker シャルトーニュ・タイエ / Chartogne Taillet 産 地terroir フランス/France>シャンパーニュ地方/Champagne>モンターニュ・ド・ランス地区/Montagne de Reims>メルフィ村/Merfy 格 付 けclass A.O.C シャンパーニュ / Champagne ヴィンテージvintage 2009年 品 種cepage ピノ・ノワール 種 類 / 味わいtype/taste 泡Champagne / 白white / 辛口dry 容 量net volume 750ml 輸 入import リーファー輸入 定温倉庫保管1683年にブドウ栽培家として創業、1960年代にシャンパーニュ造りを開始したシャルトーニュ・タイエは家族経営のレコルタン・マニピュランです。アレクサンドル・シャルトーニュは大学の卒業研修で師事したジャック・セロスのアンセルム氏に多大な影響を受け、2006年に両親が営むシャルトーニュ・タイエに戻りビオディナミを実践しました。世界中の熱い注目を集める、かつてのグランクリュを現代に復活させたアレクサンドル。本拠地メルフィは、現在のグランクリュと同価格で取引されていたという歴史を持っています。樹齢の高い区画を尊重し、収量を制限。収穫時には厳密な選果を行い区画ごとに醸造を行うなどテロワールを尊重したワイン造りにより、質の高いシャンパーニュを生みだしてきました。 シャルトーニュ・タイエが位置するのはランスの北西に位置するメルフィという小さな村。今でこそ知名度は低いですが、18世紀にはヴェルズネイやアイなど現在のグランクリュの村と同等の最高ランクの価格でブドウが取引されていたという歴史を持つクオリティの土地です。砂質をベースとした土壌のおかげでフィロキセラからの被害もそれほど大きくなかったのですが、ランスの街やモンターニュ・ド・ランスの村々を一望できる高台にあることから20世紀の2回の世界大戦では戦略的要地となり、ブドウ畑は徹底的に破壊されてしまいました。1950年代にようやく畑が再建され始めましたが、その頃にはかつての栄光とワイン造りがすっかり失われてしまっていました。 しかし、蔵の新しい時代を担うアレクサンドル・シャルトーニュはメルフィのシャンパーニュの力を取り戻そうとしています。彼が考えるこの地の利点は『土壌の多様性』である。過去に同等評価されていたグランクリュの村の土壌がほぼ粘土とチョークで構成されているのに対し、メルフィは砂質を主体に海抜によって砂岩、粘土、石灰と様々なタイプの土壌が混ざり合い、チョークの下層土を厚く覆っています。クオリティに関する歴史的根拠が確かで、同じ村でもブルゴーニュのように区画ごとのテロワールがこれほど多様な土地は滅多にありません。アヴィーズのジャック・セロスという偉大な土地の偉大な生産者の下で修業を積んだアレクサンドルはこの優位性を実感し、2006年に蔵に戻ると先代以上にメルフィのテロワールを表現したシャンパーニュ造りに取り組みました。 彼が真っ先に行ったのは除草剤の使用を止めることでした。土壌は空気や光よりもブドウの樹に多くの要素をもたらすといいます。セロスで学んだことは「ブドウの根をまっすぐ伸ばす方法」と「自然環境を尊重したワイン造り」であると語る彼にとって、畑表面の草だけでなく土中の微生物まで殺して土を不活性化させ、ブドウの樹がまっすぐではなく横方向に根を広げてしまう環境を作り出す除草剤は無用のものだったのです。 その代わり手間はかかりますが、野草を取り除き土に空気を含ませるために畑を鋤き耕しています。畑に負荷をかけないように、耕作用に馬を飼い、最新の物よりも重量が軽い年代物のトラクターも購入し、馬や機械が入れないほど樹間の狭い畑は人の手で耕すという念の入れようです。また土壌の多様性を詳細に把握するために、セロスと同じく土壌の専門家クロード・ブルギニヨンに土壌分析を依頼。乱暴にいえばどの畑にどんな品種を植えても育つので、多くの栽培家が土壌と品種の適合性まで考えない中、土壌の組成と品種との相性を知ることで新たな植樹の助けとしているのです。 さらにアレクサンドルは先人の経験と記録にもヒントを求めました。ヴィンテージの出来やブドウの取引について18世紀の初めから代々絶えることなく綴られていたシャルトーニュ・タイエの家長の日記から優れた畑を割り出し、古い文献から昔のメルフィではブドウの樹1本につき4房までしか実をつけさせなかったことを知り、現在では普通20房もの実を得るところを最大でもその半分以下に収量を抑えました。そうして自根で密植されていた当時のスタイルの畑も復活させたのです。他にも日当たりを良くしてブドウの熟度と糖度をあげるため、他の生産者の畑より30cm長くブドウの枝を切ったり、ベースワインの発酵には畑の土壌によってステンレスタンク、タマゴ型のコンクリートタンク、バリックを使い分けるなど様々な工夫を凝らしています。 細かな違いがひとつひとつ積み重ねられた彼のワインは、先代の頃に増してミネラル感豊かで土地のエネルギーに溢れています。テロワールの追求の集大成ともいえる単一畑のシャンパーニュは国内外の評価誌から大きな関心を集めており、1983年生まれの探究心の塊のようなこの若者に世界中から熱い注目が注がれています。