鳥取の豊かな自然。まっすぐ育った杉で、絵本ができました。
本体に智頭杉と因州和紙を使った木のえほんシリーズです。 第1巻は、鳥取を代表する魚「飛び魚」が山の上に飛んでいる鯉のぼりを発見する物語です。 杉は軽い素材でもありますので、小さな子供が持っても負担になることはありません。一枚一枚丁寧に手作業で切り抜かれたページは隣り合うページにピタリと合わさり、まるでブロックのような感覚も味わえます。手でなぞらえたり、のぞいたり…。絵本でもあり、玩具でもある木のえほん。子供が五感で感じることのできる絵本です。
●木のえほん1巻「とぶさかな」 カバーケース付き(クラフト紙) 本のサイズ:幅120×高さ180×厚み30mm(約B6サイズ) 本の重さ:約300g 材料:智頭杉、因州和紙 印刷:本体UV印刷、背表紙シルク印刷
※液晶モニターで見る色と実際の商品との色合いの差があります。
※商品の特性上、木目の色柄に違いが出ます。
※窓際など直射日光に当たる場所に保管されると、木のひび割れや日焼け、印刷の褪色が起こりやすくなりますのでご注意ください。
※出荷前検品をおこなっておりますが、多少のキズ凹み、割れがある場合があります。
※天然木を使用しておりますので、多少の印刷の色ムラが出る場合があります。 店頭在庫がある場合は3営業以内に出荷します。店頭販売等で在庫切れの場合は1ヵ月程度のお時間を頂く場合がございます。私自身、家具デザインの仕事をしてきた中で大切にしてきたことがあります。それは何にでも興味を持ち、そこから発見し、創造すること。その時の心が沸き立つ感覚は、人間の根本的な欲求であり、子どもも大人も一緒だと思います。 この「木のえほん」は、子どもが想像力を膨らませ、大人が読んでも楽しめるように作りました。描いたストーリーは、私が住む鳥取県東部にまつわるものです。神話伝説「いなばの白うさぎ」などの物語、松葉蟹や二十世紀梨といった食材、鳥取砂丘や日本海などの観光資源・・・。豊かな自然とそれらが生み出す食材や良質な素材、人々が編んできた文化が息づいています。この地域資源の素晴らしさを多くの人に知っていただきながら、ストーリーに込めたテーマである「発見」「交流」「創造」「活性」「評価」という、人が生きる上で大切になることも、伝わるものになればと思っています。 子どもたちにとっては、幼いころに触れたものの想いではいつまでも残るものでしょう。だからこそ、鳥取が誇る素材にこだわりました。江戸時代から受け継ぐ智頭杉を厚さ7ミリにして四枚使い、因州和紙を要にして製本。森の匂いをまとった智頭杉には、手触りのやわらかさと肌に感じる温かみ、一枚一枚が違う表情を見せる木目の美しさがあります。また、この立体絵本はとびうおや白うさぎといった主人公を切り抜く仕掛けをつくりました。物語が進むにつれ、主人公たちは海から山へと壮大な自然を駆け巡ります。ストーリーを楽しみながら、子どもたちは切り抜かれた部分から覗いてみたり、何かを挟んでみたり、色々な遊びを考えるかもしれません。遊びは自由。子どものたちの無限の想像力を掻き立てます。子の絵本が日本中、いや世界中の人の手に渡り、いつの時代も生きる人々の心に届くこと、そして、鳥取という小さな地域の事を知ってもらうきっかけとなり、文化や産業が発展していくことに寄与できること願っています。 「木のえほん」づくりは、全ての工程が鳥取県内で行われています。小さな県だからこそ、本当に良いものを作ろうという思いでつながり、それを形にすることができた本だと自信を持っています。絵本の板は、本の中でも出てくる智頭の杉。節が出ないように丁寧に枝打ちされた美しい杉は、部分によって木目の表情も楽しめます。「どの部分に使われるかを聞き、最適だと思う部位を選ぶ」と話すのは長年製材業を営むサカモト(智頭町)の坂本晴信さん。樹齢七十年〜八十年の柔らかい部分を本に使用し、「体温と同調してくれ、人肌にすぐなじむのが杉という木。柔らかさも子供たちが手にするのに向いています」。一枚七ミリという薄さに製材すれば、通常は乾燥によって反り返りが出やすくなりますが、杉を知り尽くした経験と技術で反りにくいように加工しました。 こだわり抜いた木の良さを生かすよう、印刷も工夫しています。しっかりと色を乗せるシルク印刷ではなく、インクを紫外線で定着させるUVプリンターを使用。木目の美しさ残しつつカラフルな色をつけることができ、柔らかい仕上がりとなりました。印刷を担ったパレット(鳥取市)の常村護さんは「因州和紙や智頭杉という地域資源は、いつになっても本質的な良さを持っています。この絵本を通し、少しでも鳥取から世界に繋がる事に貢献できれば」と期待しています。仕上げの加工は、障がい者の就労事業所である「ねっこ」(鳥取市)。立体絵本として主人公が切り抜かれる工夫が凝らされており、スムーズにめくられるようにするには細かな作業が求められます。「形や大きさによっても切る角度も僅かに変わり、かなり神経を使っています」と山本英章さん。右手一本を巧みに使い、「読んでもらう時の子供たちの笑顔を想像しながら作ります。手に取って、木の良さを感じてもらえたら嬉しいですね」。一枚一枚、丁寧に仕上げています。 材料・加工/株式会社サカモト 坂本晴信さん 印刷/株式会社パレット 常村護さん 加工・製本/NPO法人ねっこ 山本英章さん 「木のえほん」を読んだとき、シンプルでほのぼのとした物語の内容とともに、木の手触りの良さに何とも言えない懐かしさを覚えました。手に伝わる心地よさだけではなく、智頭杉が持つ力強よさを感じます。これは子供たちにとってとても良い影響があると思います。幼少期は、感覚や感性が生まれる時期。子どもたちが興味の赴くままにこの本を楽しむ姿が目に浮かびます。カラフルな絵を目で見て、読んでくれる声を聞き、手で触り、匂いを嗅ぎ、良い素材だからこそ安心して、まさに五感で楽しめるのがこの本の良さだと思います。 小学校の校長を務めた頃、子どもたちの発想力・想像力にはいつも驚かされました。大人が読んでも気づきが多いのですが、子どもたちは大人の常識にとどまらず、「これはなんだろう」「この続きはこうなるかも」と頭の中でストーリーをどんどん膨らませることでしょう。子どもも大人も、想像の世界に連れ出してくれる本だと思います。 鳥取大学名誉教授 彫刻家・石谷孝二さん 木のえほん5巻セットも販売中!!