A333ペンダント カブ、ようやくです。 Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)により1954年頃デザインされたA333 ペンダントライト。別名Turnip、日本語にしましたら「カブ」、その愛称で親しまれている通りに、丸みを帯びたカブのようなフォルムが特徴です。開口部の真鍮メッキのゴールドと、本体色との組み合わせが実にフィンランドらしく、とても静かで美しい。点灯していない日中であっても適度な存在感があり、目立つというより空間に馴染む、そんな印象の照明です。そう、とても落ち着いた綺麗な照明だから、逆にいえば派手さはない、いや、他が派手だから地味に見えてしまうというのもあるのかもしれないけれど、やはり派手さはないナ。アアルトのデザインした照明にはA330S GoldenBell(ゴールデンベル)、A331 Beehive(ビーハイブ)という、アイコニックなツートップの存在がありますから、その影に隠れてしまうA333です。僕自身もビーハイブとゴールデンベルばかりに目がいっていて、長らくA333には惹かれていなかったからこんなに取扱が遅くなってしまった!でも、このA333に惹かれたスタッフがいて、そのスタッフの強い希望があったから試しに使うこととなり、実際に使ってみれば、コレはナルホド素晴らしい存在だったという結果です。付き合ってみなければ、その良さがわからない、そんな物もあり、そういった物ほど長く付き合える物だったりします。フィンランド国民年金協会、メゾン・カレ、ヘルシンキにあるアカデミア書店などでも使用されている照明だけあり、A333はやはり素晴らしい照明でした。そして、それは日本人に向いていた部分を備えている。そんな風に今の僕は感じてますから、A333見逃さないで!カブをよく見てやって!出会いから何年か経過し、やっと使って、ようやくそんな心境に至っています。 ナカナカ明るい理由 A333ペンダントライトはナカナカ明るい照明です。アアルトの照明は基本的に光源が直接視界に入ることがないようデザインされていると聞いたことがあります。ですから光源(電球)が目に入らないようシェードはデザインされています。つまりは光源がシェードに覆われているわけですから、それだけ明るく照らされる場所は限られてきます。ただA440に関してはシェード全体がフロストガラスなので全体が明るく光りますから、同じ電球を使えばスコープ取り扱い照明の中では一番明るいです。それに次いで明るいのが意外にもA333、このターニップです。理由は下方向を照らすだけではなく、上も照らしてくれるからです。照明上部の2段、ここが閉じられておらず、二つの円筒を接合して形作られていますから、上方向も明るく照らします。それが思った以上に明るく照らされるのはシェードのカブ的シェイプのおかげでしょう。電球を選ぶときは出来る限り全方位を照らすものを選ぶのが良いと思います。シェード部分は下にいくにつれ狭くなる形状、そして内側はホワイト。ですから、うまく内側に反射した光が、照明上部をなかなか広範囲にわたり明るく照らします。部屋全体を均一に強く明るく照らす照明とは違い、部屋全体に陰影を作り、かなり落ち着く空間となりますから、これをメインとし、照度が足りなければ間接照明で補いましたら、それはそれは素敵な空間となる事でしょう。 ルイ・カレ邸での出会いから TEXT:スタッフナルト ともすればアアルトに侵食されている、そんな表現も決して大げさではない我が家であります。最初はStool60を手にしたところからでした。それから建築を見たり、作品集を見たり、展示会に出かけたり、知れば知るほど興味は深まり、ふと気が付けば自分の暮らす空間とアアルトが作った空間を重ね合わせる、そんなことに熱を上げるようになりました。うちだったらこのテーブルはあそこに置いて、となると椅子はこれがいいかな。そういう時の想像力は壮大に膨らみます。これがどんなデザイナーでも当てはまるか?と言われると決してそうではないように思います。遠くかけ離れているのではなく、どこか身近で自分に当てはめやすく取り入れやすい、そこがアアルトの偉大さだと思うのです。アアルト建築のなかでも特に好きなのが、パリ郊外にある代表作ルイ・カレ邸です。ここはラグジュアリーだけど温かい雰囲気もあって、憧れる部分が非常に多かった。そこで目にしたのがA333ペンダントライトでした。ルイ・カレ邸では寝室のベッド近くに置かれた、小さなサイドテーブルの上に吊るされていたのですが、それが本当に素敵だったのです。丸みを帯びた形はゴールデンベルやビーハイブより優しくあたたか、そんなところも私好みでした。で、それまで迷いに迷っていたメイン照明、ダイニングテーブル上のペンダントはこれだ!とピンときたわけです。円形テーブルの上、少し低めに吊るしたA333。ゆったりした休日には、この下に可愛らしい花でも生けたくなるような、そんな気持ちにさえしてくれます。まだまだ遠く及びませんが、これからもそんな風に少しずつアアルトの要素を盛り込みながら(力を借りながら)、コンパクトでも居心地がいい理想の空間を作っていきたいと思っています。 コード調整器でコードの長さを調整してミタ 2020年1月からスタートし、ご好評いただいております照明のコードカットサービス。バッチリな長さにできるので見た目も大変美しいのですが、一度切ったら長くすることは出来ないため、模様替えや引っ越しの予定がある場合コード長を決めるのが難しいという方も多いと思います。とはいえ、途中で結んだり、コードリールを使うと見た目的にすっきりしない。これについてシャチョウも長らく悩んでいたらしく、先日、良いモノ見つけた!と言って紹介してくれたのが、「cacco コード調整シーリングカバー」。正確にいうと、この商品に付属している「コード調整器、コードストッパー、シリコン製ゴムバンド」この3つを使うと、照明に付属しているシーリングカップの中に余分なコードをコンパクトに収めることが出来ます。スコープで取扱いのあるペンダントライト全てで試してみましたが、AMA500やA201、A333に付いている台形のカップにはMAX80cm程まで綺麗に収めることができました。上の写真は、AMA500のコードを80cm巻いた状態。短くて5cm位から巻き取れるので微調整もしやすいです。A330、A440、BEEHIVE、BILBERRY、waftはシーリングカップが小さめなので、カップ内に収めたコード調整器が引掛けシーリングに干渉し、天井との間に少し隙間が空いてしまいます。商品付属の説明書や販売店さんのページで使い方も掲載して下さっているので、気になる方はチェックしてみてください。(スコープ松尾) スペック 材質 アルミニウム ホワイト塗装 真鍮メッキリング 寸法 約φ255×H200mm / 約2.3kg 生産 Made in China 備考 電球 : E26 定格消費電力 : 白熱電球 60W / LED電球 7.3W 引掛けシーリング取付式 ON・OFFスイッチ無し 電球付属 説明書ダウンロード A333 TURNIP コードカット、無料で承ります。 詳細はこちら