ネパール ガネッシュヒマール産クローライトインクォーツ(緑泥石)はネパール産ヒマラヤ水晶を代表する象徴的な水晶です。 他の地域ではこのような形と色のモス・クォーツは存在しないので誰が見ても一目でガネッシュヒマール産と分かる事も人気の理由だと考えています。 水晶と言えば六角形のファセットで構成され、母岩を軸にポイントが形成されていくのですが、このクローライトインクォーツにはそんな概念は通用しません。 針のようにツンツン尖ったファセットがダブルポイントに成長し、母岩無しでクラスターのような塊を形成する事もあります。 ある時はクローライトで水晶が埋め尽くされず、部分的に透明な水晶が残る事でガーデンクォーツに化けたり、カルサイト単独で母岩代わりになる事も多いです。 母岩から生えるポイントの先端から他のポイントが二重三重と結晶化していたりする事も多く、好きなようにして伸び伸びと育ったポイント達っという感じがします。 モスクォーツの形も魅力的ですが、グリーン(緑泥石)とホワイト(カルサイト)の色合いが美しい事も見逃せません。 平べったいクローライト、ヤリのようなクローライト、色々なパターンの緑泥石が存在する事も興味深いです。 ネパールで採れるクローライトの色合いは深いグリーンが多いですが、インド、パキスタンと西に向かうほど、明るい緑色に変化するのも特徴の1つだと考えています。 ヒマラヤ山脈の誕生 私が思うガネッシュヒマール産水晶の魅力は、その生い立ちにあります。 ヒマラヤ山脈は、もとは海の底でした。 その海の底が8000mも隆起したのですからこれは、ただごとではありません。 ヒマラヤ山脈の大規模な隆起は、大陸同士の衝突に原因があります。 現在のインドは、かつて独立した大陸で、インド洋の南半球に位置していました。(約7000万年前) しかし、プレートの動きとともに北上を続け、約5000万年前頃にユーラシア大陸と衝突し始めます。 こうして両大陸の間にあった海は消滅、海に堆積していた化石等は、大陸に挟み込まれ地上へとどんどん隆起し続けました。 これが現在のヒマラヤ山脈です。 本品は大きなクローライトポイントに大量の小さなクローライト結晶が共生しています。