原産国:マレーシア 原材料:ホワイトペッパー 形態:袋入り 賞味期限:300日 保存方法:直射日光・高温多湿を避け、冷暗所にて密閉保存下さい。 開封後はどうぞお早めにご使用下さい。 全世界で広く愛用されているスパイス。 熱帯の匍匐(ほふく)性の蔓を持つコショウ科の植物で、インド南部、東南アジアが原産地であり、現在はブラジル、インド東部・西部インドネシア、マレーシアなどの熱帯地域で栽培されています。 蔓の高さは3.6mくらいになり、細長い房に20〜30個の実をつけ、果実は熟すと縁から赤みがかかった黄色に変わります。 熱帯原産ですが、辛いスパイスとして知られた最古のものであり、紀元前10世紀のインドの医字書や、やや遅れて古代ローマの記録にもすでにペパーに関する記述があります。 中国には漢の時代にシルクロードを経て西方から伝来し、胡(西域、外国を意味する)の椒(さんしょうのように刺激的)すなわち胡椒と名づけられ、これがそのまま和名になりました。 日本には正倉院文書に記載されているので、奈良時代初期には渡来していたと考えられています。 スパイスとしては果実を利用します。 白胡椒(ホワイトペパー)・黒胡椒(ブラックペパー)・緑胡椒(グリーンペパー)などありますが、これは別の品種ではなく、同じ果実ですが収穫後の処理の仕方が違うものになります。 ブラックは実の色が黄ばみはしめたころの未熟実を摘み取り、数日間堆積してから天日乾燥したもので、乾燥後は外皮の色が暗褐色から黒褐色になります。 ホワイトは、実が赤褐色または黒く完熟するまで待ってから摘み取り、水に浸して発酵させて、柔らかくなったら外皮をはがして天日乾燥させたもので、外皮を除くので乳白色に仕上がります。 グリーンは生の未熟果を急凍乾燥させたもので、さわやかな風味と刺激があります。 胡椒はさわやかな芳香と強い辛味をもつスパイスですが、この辛味成分はピペリンとその異性体であるシャビシンで、この含有量の多少によって辛味の強さが決まります。 白と黒を比べると、白のほうがマイルドで上品といわれ、香味成分は外皮に多く含まれている為、外皮をつけたままの黒のほうが外皮を除いた白よりも香味感が強くなります。 官能テストでは黒は白の4倍も香味を強く感じ、また辛味感も香味成分との相乗効果によって強く感じます。 一般的にペパーは、甘いフレーバーをもつ食品を除き、ほとんどすべての料理に適合するといわれます。 肉、スープ、魚、ピクルスなどに黒こしょうを粒のまま用いると、スパイシーな芳香と辛味感が味わえます。 また強烈な辛味とさわやかな芳香を味わう肉料理には、黒こしょうのあらびきや粉末を用いるのがよいと云われています。 粉末も広くミックス・スパイスに使い、粒はマリネの液、スープ・ストック、クールブイヨンにしばしば加えることがあり、フランスに古くからある有名なソース・ポワブラッドは粉末を多量に加え、鴨やノロ鹿やコショウ風味ステーキに添えます。 緑コショウは魚や鶏のソースに使われています。 粗挽きや砕いたものは加工肉の重要な調味料で、ドイツのサラミやクリーム状のチーズには外側に粗挽きコショウをまぶしたものがあります。 変わったところではケーキ、プディング、パイ用のミックス・スパイスや、プディングの具に加えたりもすることも。 フランスのヌーベル・キュイジーヌにはイチゴやパイナップルの上にごく少量を挽いて香りをつける料理もあり、ホワイトソースやポタージュなど談い色の料理には、マイルドな香りで辛味感も弱い白こしょうを用います。 フランスにおけるペパーの消費量は、圧倒的に白こしょうのほうが多く、アメリカでは9対1の割合で黒こしょうのほうが多そうです。 日本を含めて世界的に黒こしょうの香味のよさが再認識され、消費比率は年々黒こしょうが多くなりつつあるそうです。 個人的にチーズとも相性がよく、ブラックペッパーを振りかけたチーズは病みつきです。 昔は興奮剤、駆風剤、消化薬、下痢止め、コレラ、関節炎などの治療薬として用いられましたが、近年は辛味性健胃薬として利用されています。 漢方でも発汗、駆風、健胃薬として胃弱、消化不良、反胃吐食、下痢、腹痛などの症状に内服、またはヘソの上に膏薬として外用されることがあります。 なお、ペパーには二つの類似品があります。 クベバ(ヒッチョウカ) アジアの熱帯各地に自生し、インド、スリランカで栽培。 果実を利用し、外観はペパーによく似ていますがほとんど辛味がないか、あっても弱いです。 ペパーの増量剤として使用されることもあります。 残念ながら取り扱いはございません。 ヒハツ 別名「インド長胡椒」ロングペッパー 果実が長く穂状に密に付き、これをそのまま乾燥させます。 インド、スリランカ、フィリピンなどで栽培されています。 通常の胡椒よりも強い辛味があり、現地ではカレーパウダーに使用したりします。 胡椒の類似植物である長こしょうは、現在では通常のペパーより品質評価が低い(あまり流通されていないのも原因かもしれませんが)が、古代ギリシア・ローマ時代には逆にはるかに高価で取り引きされていたそうです。 紀元1世紀のローマの記録によると、1ポンド当たりの値段は白胡椒7ディナール、黒胡椒4ディナール。 対して長胡椒は15ディナールで、当時の貨幣価値から考えるときわめて高価なものでした。 熱帯でしか育たないペパーはその後も長い間ヨーロッパでは貴重品であり、さまざまなエピソードが伝えられています。 戦利品としてペパーを持ち帰り兵士に褒美として分け与えたとか、結婚の持参金、あるいは税金の支払いも、貨幣よりも希少価値のあるペパーが珍重されたといいます。