バジリカータ州アチェレンツァの農協が破産。農家は葡萄を造り続けていましたが、誰も葡萄を買わないので、ファルネーゼが農協に出資することにしました。広大な畑がありますが、そのうち170haを選んでヴィニエティ デル ヴルトゥーレを造っています。畑は火山灰土壌で、標高500m以上の高い所にあり、冷涼です。アリアーニコは晩熟ですが、成長過程では涼しい気候を好むため、適しています。ワイナリー自体も標高600mにあります。グリーンハーヴェストしています。平均樹齢60年で、中には80年のものもあります。樹が古いので、収穫量はあまり多くありません。朝の気温は8度位で、標高900mの場所では、雪が降ることもあります。有名になってきて、農家が葡萄を売りに来るようになりましたが、良い農家とは契約して、農協より高い価格で買い取っています。 デニス ヴェルデッキアは、ここに来るまでは、アリアーニコの醸造をしたことはありませんでしたが、皮の薄さと実際に食べてみて、ピノ ノワールと同じようにやってみようと思いました。ニュージーランドにいた時に学んだピノ ノワールの醸造についての知識と経験が役立ちました。例えば、皮が薄いためポンプを使うと攻撃的なタンニンが出てしまうので、ピノ ノワールと同じようにポンプを使わないといった具合です。 ファルネーゼ グループでは、毎年フランスの樽メーカーを訪問し、一番良い木材を選び、樽の焼き具合も自分たちで決めています。また、樹齢の古い板の方がより豊かなテクスチャをもたらすので、出来るだけ樹齢の古い木の板を使うようにしています。ヴィニエティ デル ヴルトゥーレのセラーの2階にはラボが併設されており、資格を持ったスタッフが検査や分析を行っています。ここでは2014年4月から最新式の瓶詰ラインが稼働しています。町のある丘には500年前の雪の貯蔵用の洞窟を利用した樽熟成用セラーがあり、2011年から使用しています。中が非常に涼しく、季節を問わず16〜18度程度の一定の気温に保たれていて貯蔵に最適です。 トゥファレッロ ネーロ・ディ・トロイア 2018年 ヴィニエティ・デル・ヴルトゥーレ プーリアのカノーザの畑で栽培された葡萄を使用しています。葡萄の仕立てはグイヨと伝統的なアルベレッロの両方です。収穫した葡萄は除梗、破砕します。アルコール発酵と醸しは、ステンレスタンクにて約15日間行います。マロラクティック発酵の後、バリックに移し、4ヶ月間熟成させます。ガーネットを帯びた輝きのあるルビーレッド、ブルーベリーやスパイスの混ざる豊かなアロマがあり、口に含むとしっかりとしたタンニン、骨格が感じられます。非常にバランスのとれた味わいです。