≪Syrah Wines of the Year 2023(by Tim Atkin)≫ ●[TA95点]
■ティム・アトキン95ポイント
Syrah Wines of the Year 2023
◎同社の最上級限定キュヴェ。 ハーテンバーグのワイナリー・コンセプトである「他にはない、ずば抜けて高品質なワインを作ること」を体現した同社の最上位トップ・キュヴェ、『グラヴェル・ヒル』。 シラー・デュ・モンドで世界1位に選ばれた『ザ・ストーク』よりも更に(価格的に)上にあるキング・シラーです。 元々ハーテンバーグは南アの中でも、はじめて同一品種でブロック違いの葡萄を異なるタンクや樽に分け、畑やテロワールの違いを表現した生産者の一つ。 そんな中、醸造家のカール・シュルツが、グラベルヒル・ブロックからのシラーズが、同社の他の畑からのシラーズと比べて特別なクオリティであることを発見。 そこでここからのシングル・ヴィンヤードとしてボトル詰め。特別な一本として、ケープ・ワインメーカーズ・ギルド(CWG)のオークション用ワインとなりました。 2007年のCWGオークションでは、シラーズ部門の最高値で落札。全エントリー・ワインの中でも2番めに高い金額で取引され、その後一般市販されるようになり、今に至ります。 ◎グラヴェル・ヒル・ブロック グラヴェル・ヒルの区画は、1970年代植樹。オーガニック栽培。 砂利質の土壌の下は重い粘土層で、なかなか根が下に伸びていきません。 そこでラディッシュを栽培。ラディッシュは葡萄よりも根が強く、粘土層も貫いていきます。 そのラディッシュが枯れたあとの根の空間部分に、葡萄の根が伸びていくのです。 また1990年代後半、カリフォルニアで開発された水分調査システムを南アで初採用。 葡萄の葉から水分レベルを測定し、灌漑の必要性を判断。 水を表層に与えると蒸発してしまうため、下層土への灌漑を行っています。 グラヴェル・ヒル区画の葡萄樹には、一本に数房しか付いておらず、また粒のサイズも通常の半分程度。 この小さな粒の中に、香りと、色と、旨味がめいっぱい凝縮します。 ◎Tim Atkin South Africa Report 2023よりTA95点
「If The Stork is an Hermitage or a Côte Rôtie, then Gravel Hill is closer to a Cornas, all blood and guts and firm, age-worthy tannins. Ferrous and dense, it combines damson, fig and black olive flavours with stylish 50% new wood, plenty of backbone and energy and some meaty reduction. One to tuck away in the cellar for a while.」 グラヴェル・ヒル・ブロックの果実を、新樽&二年樽50%ずつのフレンチ・オークで18ヶ月熟成。 黒系果実、スミレ、スパイス、黒コショウ、香水、オークなどの香り。柔らかな酸、細やかで洗練された上品な渋み、赤系&黒系果実の複雑な風味や心地良いスパイスの風味。 タイトでしっかりとしたボディに、凝縮した果実、細やかな渋みなどが大きなスケールでバランス良く保たれていまする。 余韻は長くリッチなのにエレガント。本領発揮はヴィンテージ+10年前後。頃合い熟成のグラヴェル・ヒルは、「南ア他シラーズを寄せ付けないほどの圧倒的なパフォーマンスを発揮する」とも言われます。 グリルした肉料理、フィレステーキ、ローストしたサーロイン、ビーフシチュー、羊肉、マッシュルームリゾットなどとともに、至福の時をお楽しみ下さい。●ハーテンバーグのフラグシップにして、南ア最高のオーガニック・シラーズ。